マタナゴ移植計画 ~ その3 ~

発泡容器の中で泳ぐタナゴ
いろいろご意見あると思いますが過去の記事ですのでご了承下さい。
大雨の後の快晴、自然的条件に左右されやすいので8月の失敗からずっとこの日が来るのを待ちわびていました('ー')


前回は移植用マタナゴ50匹確保を目指しましたが僅か4匹で計画を断念しています。今回は反省も踏まえ禁断のアイテムを解禁しました。

地面に置かれたお魚キラー
あまりの獲れっぷりに使用を自粛していた『 魚キラー 』万が一の時のためにこれも併用します。

水の中に見える二枚貝
早速実釣開始、今回はかなり良い感じでマタナゴを中心に釣れ続きます。

掌の上のマタナゴ
サイズは当歳~三歳魚まで1時間に20匹ペースできっかり3時間、60匹釣り上げることができました。10匹多いですが最初の50匹という根拠が全くなかったので良しとします(^^)

容器に入って川に漬けられたタナゴ
じつは後で気付きましたが。。。。。。釣りに夢中で大きさを揃えるの完全に忘れてしまっていました。一番大きなサイズだと来春の一回の産卵で死んでしまうでしょう。そのことを考えるとこれで良かったのか?  失敗したかもしれません( ̄Д ̄;;
目標は達成しましたが気になるキラーの回収をします。

お魚キラーの中のザリガニとタナゴ
ずっしり重い。。。。。。
小魚がキラキラ。。。。。。。
赤いのがガサ・ゴソ。。。。。。。。。

中身を開けてみます。あいかわらず大量でした。

容器に開けられたタイリクバラタナゴとアメリカザリガニ
ザリガニが17匹、タイバラがたくさん。
意外なことにその他の魚は入っていませんでしたので外来魚キラーですね。期待ハズレでしたが、なんか安心しました(´▽`)あとは移植地へと暫しのドライブだけです。マタナゴをしっかりと梱包したあと出発しました。

エアーポンプを取り付けた発泡容器
目的地に到着です。

田園地帯を流れる小川
ここもいつもの倍ぐらいの水量があって放流場所に悩まされましたがいろいろまわって結局予てから決めていた場所に落ち着きました。ゆっくりと水温を合わせてからの念願の放流(/_<)

発泡容器から小川に放たれるタナゴ
この増水で体力を消耗してしまわないか、このまま冬を無事越せるのか、心配事は尽きませんがとりあえず計画第一段階は達成することができました(^▽^)/上手くいって来年の春に産卵、実釣にて子供を確認できるのは早くてもその秋です。成果が現れるまで少なくとも1年以上かかりますが気長に見守りたいと思います。ずっと昔のことは分りませんが元々マタナゴが生息していなかった場所なのでもし順調に定着することができたら自分だけではなく他のタナゴ釣りをされる方にもこの場所で釣りを楽しんでもらえたらと、夢もウンッと膨らんでます(*^^*)

『マタナゴ移植計画 ~ その3 ~』へのコメント

  1. 名前:じゅん 投稿日:2014/12/17(水) 09:56:07 ID:589fc6ab0 返信

    『タナゴ釣り』で検索してブログを拝読させて頂きました。
    私も非常にタナゴを含む淡水魚を釣ったり飼育したりするのが好きなのですが
    この度のマタナゴの放流の件について気になる点があったのでコメントさせて下さい。
    結論から申し上げますと、この度の放流については少々早計であったと言わざるをえません。
    マタナゴ移植計画と題された記事を全て読ませていだきましたがまず
    >この場所で生息が確認された魚はタイバラとオイカワとモツゴだけです。
    何をもってこのように判断されたのでしょうか?魚類の生息調査というのは多様な手法により継続的かつ慎重に行われるものですが
    放流された場所にその他の魚類(メダカ類、ハゼ類、ドジョウ類など)が確実にいないと言い切れるのでしょうか?
    また河川を生息地として利用するのは魚類だけではありません(水生無脊椎動物や両生類、植物など)。
    生態系というのはこれら多様な群集や環境が綿密に絡み合って成立しているある種非常に繊細なものです。
    そういった繊細さから生まれたのがこの国の淡水魚類の多様性であり、その恩恵を私たちは享受しているのです。
    >ずっと昔のことは分りませんが元々マタナゴが生息していなかった場所なので
    同じ水系のどこかでマタナゴが確認されたとしても今回放流された地にマタナゴが生息していないということは、そこに生息していない理由が必ずあり、人間が恣意的に介入するべきものではありません。
    遺伝子多様性の件についてはご存知かと思いますが、今回放流された場所に以前マタナゴが生息していたと仮定して、それが今回放流したものと同じ個体群であるとは限りません(同水系であっても生息地が違えばボトルネック効果により容易に分化することは群集生態学の知識です)。
    これではいくら善意の行動であったとしても本当の保護とは言えません。
    私もタナゴが好きですが、どこか他の魚より一段上、もしくは特別な魚であると感じてはいませんか?これは釣り師的考えでありがちなのですが(狙っている魚以外は外道というものですね)、タナゴは日本のコイ科魚類の一グループにすぎません。美しい婚姻色と興味深い生態から淡水魚保護の象徴として扱われることが多いですが、これはタナゴ以外の魚類を軽視してしまうような流れになりかねません。これは自戒も込めて申し上げているのですが、タナゴさえいればそれでいい、他の魚は外道だから、というのは人間の手前勝手で傲慢な理屈です。また、一昔前のタナゴ類がそうであったように現在普通種とされている種がいつ絶滅に瀕するとも限りません。
    私は淡水魚の保護手段としての放流を根底から否定するつもりはありません、本当にある生物種が種の存続の危機に瀕した時には最終手段的に行使されるのも已む無しと考えます。ただ今回の件については早計であったと申し上げておかなければなりません。最終的手段としての放流については日本魚類学会のガイドラインがありますのでどうぞご参照くださいhttp://www.fish-isj.jp/info/050406.html
    最後になりましたが私はブルーリバー様の人格を否定しようとも、安易な放流であってもとある魚を保護したいという気持ちを非難するつもりもございません。
    ただ同じ魚好きとして、少しでも正しい知識をもって自然と向き合われることを願ってやみません。
    不躾で冗長なコメントとなってしまい恐縮している次第です。お読み頂きありがとうございました。

  2. 名前:ブルーリバー 投稿日:2014/12/21(日) 03:55:26 ID:589fc6ab0 返信

    じゅんさん、こんばんは。
    自分がそんなに悪い事をしたという自覚が今でもありません。
    この放流地は閉鎖水域ではないため下流では生息魚種が増えて数十種類にも及びマタナゴも生息しています。
    同水系になります。(同水系でも水門や堰等の人工物が造られたため移動ができない状態)
    確かにタナゴは日本のコイ科魚類の一グループにすぎませんが放流した場所の魚、タイバラ・オイカワ・モツゴ自体が外来・移入種でそもそも生態系が崩壊しています。
    水系には漁協があって釣りや漁を目的とした放流が毎年行われていますし、各地域に存在する釣り愛好会や法人などによっても地域貢献や自然保護名目で多くの魚が放流されているのが現状です。その他、昔から食料確保のための移植も盛んに行われていますし、最近県内では生息域拡大のためにアカヒレタビラやシナイモツゴ・ゼニタナゴの放流も行われています。
    生態系を手付かずののまま残していけたら最良だと自分でも思っていますが、そんな場所どこにあるのでしょうか?
    同じ川での全滅危惧種の移動はこれらに比べずっとましで種の保護という観点からも良かれと思っていましたが、じゅんさんに言わせればこれも浅はかな考えだったようです。
    県内を三年間探しましたが見つけられた生息地は一箇所だけです。最終手段の放流、いったい誰がやってくれるのでしょうか?最後に残された生息地を守ることはしますが本来の生息域に戻すための放流は知りません。そうなったら最後、もう個人では採取や釣りが許される状態ではないでしょう。そうなったら困るのです。
    在来種のいなくなった場所へのタナゴの放流、過去の取り組みに習った行動でしたが非常に残念です。
    それでも、水生無脊椎動物や両生類、植物に与える影響までは専門家でもないので正直わかりません。反対される方がいる以上、安易な行動は自重しようと思っていますm(_ _)m

  3. 名前:じゅん 投稿日:2014/12/21(日) 18:28:18 ID:589fc6ab0 返信

    >反対される方がいる以上、安易な行動は自重しようと思っていますm(_ _)m
    少しでも放流の危うさを認識していただき幸いです。
    何点か捕捉させて頂きます。まず生態系が崩壊しているとおっしゃいますがそもそも、生態系とは厳密には生物相(どんな動物が生息しているか)を指す言葉ではありません。
    生産者(植物プランクトンなどエネルギーを作り出すもの)、消費者(エネルギーを消費する魚類などの動物)、分解者(硝化細菌や貝類など水をきれいにするもの)を中心とした絶妙なバランスで成り立っている自然がつくりだした仕組みを意味します。ですのでタイバラやオイカワが生息する点だけをみて生態系が崩壊しているというのは早合点です。
    また漁協や自治体が放流しているから自分も、というのも少々浅はかであると言わざるをえません。漁協によるアユ種苗の放流によりそれに混じった琵琶湖産の魚類が各地で在来の魚の遺伝子をかく乱したり生息地を奪ったりしていることはご存知でしょうか?様々な利権によりこれを是正するのはまだまだ時間がかかりそうですが確実に正しい知識を持った人間も増加しつつあるので、少しづつでもこのような状況が改善していけばと思っていますが…
    自治体やNPOなどによる自然保護名目の放流にも問題は多々あります。自然保護と題してニシキゴイや元来その場所にいなかったメダカを放流するような取り組みはいまだに散見されますし(コイの生態系への脅威については一度ネットなどでお調べいただければ…)これらの行為がテレビ等メディアによって拡散されることによりあたかも善行であるかのように誤解され、正しい知識のない方が善意でヒメダカを近くの川へ放流するといった事案も多いようです。つまり知識が不足していることで善意があだとなってしまうことがあるのです。
    最終手段の放流、いったい誰がやってくれるのでしょうか?との事ですがぜひ各研究機関や水族館等が主催するセミナーなどに参加されるか、放流問題等を扱った書籍を一読されることをオススメします。ミヤコタナゴなど天然記念物クラスのものであればメディアでも取り扱われることが多いので目が触れやすいですが、ほとんどの人が知らないような魚を地道に研究し正しい手法で保護しようとしている方は沢山います。歩みは遅くとも安易な放流行為よりはずっとその魚の保護に貢献していると私は思います。
    前回のコメントに添付したガイドラインのような正しい手法に基づかない放流はむしろ逆効果となってしまう事があります。
    今回50匹のマタナゴを放流されたとのことですが、それらが定着できなければ結果としては元の生息地からマタナゴを50匹減らしてしまったということになりかねません。また50匹程度の放流では近交弱勢の問題もあります。
    結局のところこのような事態を招いてしまったのは日本人の環境というものに対する誤解やある種の傲慢さだと私は思っています。アユ放流の諸悪の根源(言い方は悪いですが)である農水省や環境省ではアユなどの資源となる魚種には研究費を出すが資源にならないタナゴなどの雑魚にはびた一文出さない、というような役人がいまだにいるくらいですから…
    これからを担う子供を中心とした若い人にこれらの問題について考えさせ正しい知識を身に着けさせることこそが根本的な解決策と私は思います。
    私は例えば川でガサガサや釣りをしているときに話しかけてきた地域の方と何が取れるのかという話にはじまり、雑談する中でそれとなく放流による遺伝子かく乱などの話題を出すことでこれらの問題について啓蒙したり、ボランティアですが大学で淡水魚を研究している方と提携して魚類や貝類の分布状況の調査に協力させて頂いています。
    つまりは放流すること以外にも魚を保護するやり方はあると思います(放流のように劇的な効果はありませんが地道で確実な道だと思っています)
    ここまで偉そうに語ってきましたがわたしも数年前までは多くの誤解をもって生物と接してきた人間ですので、だからこそ正しい知識の大切さを身に染みて分かっています。
    今回ネット上で議論したことによってブルーリバーさんや周りの方々に環境保全に対する新しい視点を持っていただけたならこの上ない幸いです。以上、長々と失礼いたしました。